ヤバい人間の話「友達のお父さんの浪費癖が酷い」
ヤバい人間の話
○友達のお父さんの浪費癖が酷い
友達のご両親が離婚した。
理由はお父さんの浪費癖。あと、私も少し絡んでくる。
誰もが知る大手に勤めていて年収900万はあったのだが、fxとか投資に使いまくったそうだ。
それで上手く行けば特に問題無かったはずだが、全て上手く行かずただ金をすり減らすだけだった。
で、とうとう不動産投資に手を出そうとしたそう。
友達が「私子は不動産のプロだからわかってくれるって聞かないの(泣)お願い、話をして。お父さんを止めてほしい。お礼はする。プロにタダで働いてとは言わない」と相談してきた。
不動産業界と一言で言っても多種多様で、不動産投資、賃貸、売買、管理など様々。
で、私はというと不動産管理業、しかも当時新卒で入社し1年少し経った頃。見習いもいいとこ。
投資家と関わりがないことはないが、あくまでマンションの修理とか、家賃回収とか、投資家が投資したあとのお手伝いしかしていない。
不動産投資となれば相場観、税務には詳しい人が必要だが、私は困り果てて上司に泣きついてしまったー
私は税務に詳しくなく、相場観も非常にざっくり。
例えば「ここの道路一つ過ぎるといくらくらい家賃が下落します」みたいなことが言えない。
なので上司に「なんとかして友達のお父さんの暴走と友達の家庭の危機を止めたいがどうしたらいいか」と軽く世間話すると、「そもそも、経験の浅いお前に頼んでる時点でうまくいくわけない。大手勤めでも馬鹿はいるもんだなあ。そう伝えればいい。それにお前をプロだと思ってんだろ?ならプロとして調子こいてるお父さんに説教してやれ」と言われた。
あまりに責任重大すぎてため息ついていると、上司が「俺も不動産投資はしてるからよ、一度俺も話してやろうか?グループ会社で収益物件の売買もやってるからさ。目を覚ますか、真面目に投資に取り組むかはわからないけど」と言ってくれた。
そこで仕事終わり、友達一家と私と私の上司が会うことになった。
うちもそこそこ規模はあるので、上司に「いやーこのような方と繋がれるとは、娘を作って良かった!娘のお友達のご縁ですから」とお父さんが嬉しそうに言っていた。
この時点で上司もああ…という感じ。
で、「どんな投資を考えてるのか」と上司が聞き出したところ、買うだけ買って、あとは管理会社に任せて不労所得!サブリースを結べばもっと安心!業者には徹底的に値下げ交渉をする!という取らぬたぬきの皮算用だった。
サブリースとは、マンションに空室があっても家賃を保証しますよっていう制度のこと。
で、上司の質問と回答がこんな感じ
・物件は見てますか?
→まだ見てない。とりあえず中古物件を買いたいとは思ってる
・どのエリアが魅力があるとお考えですか
→まだわからない。ひとまず駅チカで安くて築浅物件があればいいかなと思ってる
・自殺や火災など思わぬ事態も考えうるが、それも頭に入れていますか
→その場合は損害賠償請求でむしろ焼け太りになるくらい儲けたい
・サブリースは問題点も多く、オーナーが家賃に口出しできない仕様となっている。その為保証家賃が下がることもある。あなたとお話した感じ、そこで揉めそうな感じがする。
→そこは管理会社に上手いこと頼むつもりだ
・業者には徹底的に値下げ交渉するとのことだが、それで揉めるオーナーもたくさん見てきた。業者は切るときはキッパリ切る。もし過度に値下げ交渉したらそことの縁はすぐ無くなる
→でも業者は買い叩いてナンボだと思う。自分もその交渉はよくやってるので大丈夫だ。
・ご家族の理解が得られていない中で行うのはやめたほうがいい。今の回答ではお嬢様も奥様も納得しない。仮に私があなたの子だったとしても同じことを思う
→大丈夫です!大黒柱は私ですから、わかってくれるはずです
埒が明かなくなり、私が
「友達ちゃんのお父さん、今まで色々投資やって全部失敗したんでしょう?今までは駄目になれば手を引けばよかったと思うんですが、不動産投資って駄目でも手が引けないんですよ」
「下手したら家族にも迷惑がかかるんです。何千マンもの借金ですよ」
「今回たまたま上司が出てきましたけど、元々私に相談するつもりでしたよね?その時点で駄目だと思うんですよ。会社勤めが長いならわかると思うんですが、新卒2年目にも満たない社員に相談しようって判断しちゃう時点でまずいと思うんです」
そこで友達のお母さんが
「私子さんはその道のプロだからお勧めの物件を教えてくれるはずって言ったけど、私は『ありえない』とわかってました。不動産の管理が担当の人が、『この物件オススメですよ』なんて、言うはずないですよ。私ですらわかるのに、この人『私子さんが紹介してくれる、絶対外に出てない情報を握ってる』『海外投資も相談しよう』って喜んで」
と呆れ顔。
日本の管理会社社員に海外投資のことがわかるわけないのに…
上司も「うーん、流石に一絡げに考えすぎですよ。私子はまだ勉強中の身です。それは大手勤めならわかっていただけますよね?それに、世に出ていないうまい話なんて無いんですよ。そのお考えだと絶対上手く行きません。お話聞いてると、非常に楽観的すぎて…今のお話では、投資をしないのが一番お金を貯める近道では?という回答になりますね」
とバッサリ。
その日はお通夜みたいな空気の中別れた。
数カ月後、お父さんの独断で、友達の妹がこれから受験という時に貯金の殆どをマンション購入に注ぎ込もうとしたことが決定打となり離婚した。
ほんとに身勝手で訳がわからなかった。
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