『死に憧れるピトフーイはイカれている』中二病だった頃の僕のように【ガンゲイル・オンライン】
(第6話)
ある日、突然、レンの前に現われた阿僧祇 豪志(Mさん)
阿僧祇 豪志(Mさん)は言いました。
豪志「ピトはイカれています。リアルの彼女は僕にこう言いました。優勝できなかったら、またはゲーム中に殺されたら、私、自殺するからね、と。あの女はやると言ったら本当にやります」
レン「豪志さん、ピトさんはどうしてそんな変なことを課すの?ゲームの中で死んだら自分や他人を殺すとか」
豪志「彼女は死というものに心を囚われています。命を賭ける勝負というものに憧れ続けているんです」
レン「どうして?」
豪志「ソードアートオンラインを知っていますか?ゲームから抜け出せなくなったプレイヤーキャラがゲーム内で死ぬとリアルでも死んでしまうSAO事件のことを」
レン「まさかピトさんはSAOに参加して!?」
豪志「いえ、ピトはSAOに囚われ生き延びた俗にいうサバイバーではありません。その逆です」
レン「逆って?」
豪志「言うなればピトはSAO失敗者。ルーザーなんです」
レン「SAOルーザー・・・」
豪志「ピトのリアルはベータテストの頃からSAOをやりこんでそれこそ狂ったように遊び続けていました。当然、正式版も開始と同時に遊ぶつもりでいました」
レン「でも、できなかった」
豪志「その日、どうしても外せない用事が入ってしまったんです。それこそ一生に一度のその後の人生を決めるほどの重要な用事が。さんざん泣き腫らした末にピトはこれからの人生をとる決断をしました。賢明にも」
レン「でも、おかげでSAOに囚われずにすんだんだよね。ラッキーだったんじゃない?」
豪志「普通はそう考えます。でもピトは違う。SAOが本当のデスゲームと知った瞬間、ピトは怒り狂いました。参加できなかった自分の運命を呪い、叫び、嘆き、泣き、暴れました。昔から抱いていた死への憧れ。その絶好の機会を逸したのです。ピトはひとしきり泣き叫んで暴れまくって落ち着いたのか、その後は仕事に邁進しました。今はかなりの成功を収めています」
レン「ピトさんは会社の社長さんかなにか?」
豪志「ええ、そうです。そしてVRゲームが再開されてからは仕事以外の時間を全部つぎ込んで遊びまくりました。ですが、本当に死なないゲームは彼女の血を心の奥底から滾らせてはくれませんでした」
レンの心の声『滾らなくていいじゃない。普通でいいじゃない。死んだらダメじゃない』
と、心の中で思ったときのレンの表情。
豪志「そして仕事とVRゲームに生きた2年が過ぎた頃、SAO事件が解決。サバイバーの口から語られるゲーム内での様子が漏れ伝わってきてピトは再び爆発しました。そこ(SAO)にはプレイヤーを意図的に殺すプレイヤーキラーいたとそしてそんなギルドがあったと」
レン「ええっ!本物の殺人じゃない!」
豪志「そうです。中には他のプレイヤーを殺すことに生きがいを見出したプレイヤーもいたそうです。彼らに殺された、そして彼らを殺した正当防衛も含めるとかなりの数のプレイヤーが殺されていたことになります」
レン「信じられない」
豪志「僕も人殺しプレイヤーの正気を疑いましたが、ピトはまったく違いました。SAOをやっていればそんな人殺しプレイヤーになれたのにという悔しさとそいつらを正義の名のもとにブチ殺すことができたという2つの悔しさが彼女を支配したのです」
レン「(ピトさんは)どうかしてる」
豪志「何度もそう言ったでしょう。あの女は今でもSAOという狂ったゲームに心を囚われているんです。それでもここ何ヶ月かは治まっていました。GGOがいいガス抜きになっていたのでしょう。しかし、SJに参加できなかったことで病が再発してしまったんです」
ピトいう女
豪志「ピトはイカれています。リアルの彼女は僕にこう言いました。優勝できなかったら、またはゲーム中に殺されたら、私、自殺するからね、と。あの女はやると言ったら本当にやります」
豪志「彼女は死というものに心を囚われています。命を賭ける勝負というものに憧れ続けているんです」
豪志「言うなればピトはSAO失敗者。ルーザーなんです」
豪志「SAOが本当のデスゲームと知った瞬間、ピトは怒り狂いました。参加できなかった自分の運命を呪い、叫び、嘆き、泣き、暴れました。昔から抱いていた死への憧れ。その絶好の機会を逸したのです」
豪志「僕も人殺しプレイヤーの正気を疑いましたが、ピトはまったく違いました。SAOをやっていればそんな人殺しプレイヤーになれたのにという悔しさとそいつらを正義の名のもとにブチ殺すことができたという2つの悔しさが彼女を支配したのです」
豪志「あの女は今でもSAOという狂ったゲームに心を囚われているんです」
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ピト。ピトフーイ。死に憧れる女。命を賭けて戦うことに憧れる女。
わかる。ピトの気持ち僕にはわかるぞ。中二病だった僕にはその気持ちがわかるぞ。命がけの戦いをしてみたいという願望があった僕にはその気持ちが少しはわかるぞ。
ドラゴンボールの孫悟空のような生きるか死ぬかの熱い戦い。
進撃の巨人のエレンのような圧倒的な敵との死に物狂いの戦い。
はじめの一歩のようなライバルとの命を削るような戦い。
ブラッククローバーのアスタのような無謀な戦い。
そういう戦いがしたいということだよね。そういう戦いに憧れがあるということだよね。
わかるよ。僕にもそういうときがあった。そういう中二病的願望があったときがあった。今ではほとんどなくなってしまったけど、子供の頃にはそういう願望があった。あったんだ。だからピトの気持ちが少しはわかるよ。
この記事を読んでいる人にもそういう願望が持っていた時期があるんじゃないですか?今現在持っている人もいるんじゃないですか?
命を賭けて戦いたいという願望を持っていた人、あるいは持っている人にならピトの気持ちわかりますよね。
僕も中学生くらいの頃だったらSAOみたいな事件が起きたら、自分もその事件の当事者になりたかったと思ったと思います。
それくらい中学の頃の僕は中二病でした。プロ野球選手になれると思うほどの中二病だったんです。(結局はなれませんでしたがw)
そんな中二病だった僕だから少しはピトの気持ちがわかるんです。悔しいだろうなと。でも自分が命を賭けた戦いをしたいから他人も命を賭けた戦いに巻き込むというのは理解できません。
どうやらピトは僕よりも中二病のようです。
中二病が悪いことだと僕は思いません。なにか1つのことに夢中になるということは素敵なことだと思うからです。
でも、その中二病人生に他人を無理やり引きずりこむのは間違っていると思います。でもピトさんは僕が間違いと思っていることをしてしまうくらいに命を賭けた戦いを求めているんだろうなと思いました。
そういう意味ではピトさんは僕よりも情熱的で行動力のある人なんだなと思いました。
でも、ピトさんのしていることを肯定することはできません。ピトさんのしていることは他人に迷惑をかけるユーチューバみたいな感じがするからです。
みなさんはどう思いますか?
ピトさんの生き方を肯定しますか?それとも否定しますか?
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