西野亮廣「生き残りたいなら◯◯観と自分の△△を持て!」◯◯と△△はYouTubeで生き残るためにも必要なもの【動画文字起こし】

大局って言葉があるんですね。

大局っていうのは何か?いうと、物事の部分的な勝ち負けじゃなくて、全体の有様、成り行きのことですね。

勝負事っていうのはこの大局を見ることが非常に重要で、例えば値上がりしたり値下がりしたり、上がったり下がったりを繰り返しながら少しずつ価値が上がっていく株、ジグザグジグザグしながらも徐々に右肩上がりで上がっていく価値が上がっていく株があったとします。

この時、上がったタイミングで株を売って、下がったタイミングで買ってみたいなことを繰り返す人がいますが、上がったり下がったりしながら最終的に価値が上がる株ならば、最後の最後まで売らないというのが正解ですね。

この時、見なきゃいけないのはこの株のその日その日の上がり下がりではなくて、この株は最終的に上がる株なのか否かっていうところですね。

まさにこれは大局を見なきゃいけない、全体の流れを見なきゃいけないってこと。ここを見通す力のことを大局観って言ったりしますね。

これ戦国時代から何も変わってないと思うんですけど・・・基本勝負事って、まあ、大局観を持っていないと勝てなかったりします。

一箇所が攻め込まれてるからといって、都度都度狼狽えて本軍を動かしているようじゃ勝てないんですね。

この大局観っていうのは、柔らかい表現に治すと、全体の大まかな流れを見て判断するっていうことですね。これが非常に重要だと。

さて、ここからが今日の本題なんですけど、YouTubeっていうものが出てきて、人の数だけテレビ局ができたのが今だと思うんですけど、このことによって時代全体はどのように流れてるのか、この全体像を捉えておくことが非常に重要だと思うんですね。

この全体像を捉えた上で行動しないとね、「え、YouTubeって稼げるの!じゃあ、やる!」みたいな浅はかな結論を出して負けちゃうので・・・

これは僕が20代前半の頃に覚えた違和感なんですけど、当時僕はですね、テレビの人気者をやってたんですね。スケジュールは月曜日から日曜日までレギュラー番組で埋まっていて、それこそ日本で一番視聴率を取っていた番組もやってたんです。20代ですごいですねw

ただあるときからその毎日に違和感を抱き始めるんですが、というのも、『はねるのトびら』っていう番組では超人気俳優さんを招いてコーナーをしたりとか、『音楽戦士ミュージックファイター』っていう番組ではアーティストさんを招いてトークをしたりとか、『たべごろマンマ』っていう番組では食材紹介したりとかお店を紹介したりとか

なんか僕、人気者のように扱われてたんですが、よくよく考えてみると僕、ずっと商品を紹介していたんです。なるべく面白く紹介するのがテレビでの僕の仕事だったんですね。

そしてこのとき紹介してる商品っていうのはゲストに来られた俳優さんのドラマだったり映画だったり、ゲストに来られたアーティストさんのCDだったり、どこかの農家さんの食材だったりお店だったり、詰まるところ、他人の商品なんですね。

自分の商品ではないんですよ。他人の商品をずっと紹介してたんです。

となるとこの時の本当の勝ち組っていうのは俳優さんだったりアーティストさんだったり農家さんお店さんですね

彼らには『テレビで面白いことした+商品売れた』ってポイントが入ってるんで、そこで僕は商品を持っている人の強さっていうものを知り、なるほどあっち側に回らなきゃいけなんだとなって大きく舵を切って絵本という商品を作りはじめました。

で、今、僕がテレビに出るときはゴットタンという特殊な番組を除いて、基本、絵本かオンラインサロンという商品を紹介していただくときのみです。

相方の梶原くんも基本は自分のYouTubeチャンネルを紹介していただくときのみテレビに出させてもらってます。ただ出てっていう番組には出ていかないんですね。

出させていただくんだったらこれを紹介する時間を設けてもらう交渉した上で出させていただくようしています。

僕はこれが非常に重要だと思っていて、まさに大局の話なんですけど、テレビにしたってYouTubeにしたって、お金の出所ってスポンサーさんからの広告費なんですね。

YouTubeによって国民一人一人がテレビ局を持つ時代に入ったからといって地球の人口が増えたわけじゃないですか。消費者が増えたわけじゃない。

だから発信者が増えて細分化されると一人の発信者を見る人は基本減る。当然、スポンサーさんはそこにお金を出さない。広告効果が低いところに広告費を出さないというのは当然だと思うんですけど、これはすでにテレビの世界では起きていて、テレビの制作費って今、グーンと落ちているんですね。

テレビに支払われる広告費は落ちているということですね。当然、制作費から捻出されているテレビタレントのギャラも落ちてる。

これが行き過ぎるとどうなるかっていうと、極端な話ですよ、「あのタレントさん、毎日テレビで見るけれど全然稼いていない」っていうことがありうるってことですね。

番組の広告費・制作費は下がっているんで、まあ、これは極端な例なので、そこまで稼いてないことはないと思うんですけど。

しかし、これと同じようなことがいずれYouTubeでも起きます。配信者が増えればYouTubeに落ちる広告費は・・・そりゃ増えると思うんですよ。YouTube全体に落ちる広告費は増えると思う。

ニュースではここばかりが取り上げられると思う。YouTubeに落ちる広告費はすごいみたいな、そりゃパイがでかくなりゃ、落ちる広告費も増えるかもしれないですけど、一人に落ちる広告費っていうのは基本減るんで、当然増える人もいるけど、減る人もいる。勝ち負けが明確になってくると思うんです。

基本、一人に落ちる広告費は減るんで発信者が増えればね、そうなってくればYouTubeの広告収入なんてね、当てにしないほうがよくて、『はねるのトびら』に出ていた人気俳優さんや『音楽戦士ミュージックファイター』に出ていたアーティストさんや『たべごろマンマ』に出ていた農家の方・お店の方のように、自分の商品を持った上でその商品を売るためにYouTubeに出るっていうスタンスをとれる人が強くなっていくと思う。

それをしない、ここから厳しいなっていう全体の見通しですね。

結論ですね、自分の商品を持ったほうがいいよって話です。まあ、いろんなところで言われてるかもしれませんが、自分が売るものを持たずにですね、この広告費の世界を生き延びていくのは結構厳しくなってくると思うので、自分の商品は持っていたほうがいいと思います。

もちろん、今回話した話は大局の話であって、部分部分ではないケースが出てきますが、まあ、全体の流れはこっちのほうへ行くだろうなと頭の片隅において自身の人生設計をしてみてください。

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