忘れやすいのは自然なこと!?脳の騙せば記憶力をアップできる!参考文献『脳にまかせる勉強法』
日本記憶力選手権で「6年連続記憶力日本一」に輝いた池田義博さん。
池田さんは一時間あればランダムに並んだ数字の順番を1000桁以上覚えることもできると言ったそうです。
池田さんは「何かを記憶するための脳の仕組みを理解し、その仕組みを利用すれば、誰だって短期間で効率よく記憶することができる」と言ったそうです。
さらに池田さんはこう言いました。「脳を騙せば記憶力がアップする」と。
池田さんの言葉の意味を知りたい方はぜひこの記事の続きをお読みください。
脳にまかせる勉強法
○いつからでも脳は鍛えられる
今までは、年齢を重ねるごとに脳は衰えていく一方!と考えられていました。
でもその考えは間違っていっていたんです。人間の脳は何歳になっても成長させることができるんです。
近年の研究によって、年齢を重ねても脳をしっかりと使えば、新しい神経回路を増やすことができることが明らかになったんです。
これによって人間は何歳になっても脳を成長させることができることが明らかになったんです。
毎年1回行われる記憶の量を競う大会『日本記憶力選手権』で池田義博さんという男性は、なんと40代でこの大会に出場し、「6年連続記憶力日本一」に輝いたのです。
40代で参加して、6年連続日本一に輝いたのですよ。このことからも歳を重ねても脳を成長させることができることがわかっていただけると思います。
「6年連続記憶力日本一の池田義博さんは子供の頃から記憶力がよかったんじゃないの?」という疑いを持った人いらっしゃると思います。
いえいえ、池田義博さんは、どちらかというと暗記などは苦手だったそうですよ。
そんな暗記苦手な池田さんがどうやって6年連続記憶力日本一になれるような記憶力を手に入れることができたのか?
それは・・・脳の仕組みを利用して、記憶力や集中力を増すテクニックを使ったんです。その結果、栄冠を手にしたんです。40代で栄冠を手にしたんです。
「記憶力を上げるのに必要なものは、もともと脳の性質ではなく、技術だ!」と池田さんは言い切っています。
○脳を騙して記憶力を上げる
記憶というのは、あくまで脳を使って行う作業です。だから記憶するためには、脳の記憶の仕組みについて理解しておく必要があります。
脳の中には記憶をコントロールしている海馬と呼ばれる部位があります。記憶を長く残せるかどうかを決めるのがこの海馬です。つまりこの海馬が裁判官のように「これは重要な情報だから残そう」とか「これは必要ない、捨ててしまおう」と決めているということです。
この脳の仕組みを利用すれば、脳を騙し、記憶力を上げることができます。
「脳の仕組みを利用し、脳を騙し、記憶力を上げる」ためには、集中と反復が必要になります。
まず脳に本気と思わせて記憶システムを活性化させるためには、集中できる環境を整える必要があります。集中するには「テレビを見ながら」「音楽を聞きながら」などのながら勉強はダメです。そんな勉強の仕方をしていると集中力が低下して脳が「この情報は不必要な情報だ!」と判断しやすくなってしまうからです。
なので、脳の記憶システムを活性化させたいのなら、集中できる環境で勉強してください。そしてその環境で同じ情報を反復して覚える努力をしてください。
そうすると脳は何度も頭に入ってくる情報に対して「こんなに何回も入ってくる情報なら重要な内容に違いない、長く記憶しておこう」と判断しやすくなります。集中できる環境であればあるほど、「長く覚えておこう」という判断をしやすくなります。
このように集中して何度も反復すると、脳は「これは重要な情報だ!」と判断しやすくなるんです。たとえ重要な情報でなくても、集中して何度も反復すれば、脳は「これは重要な情報だ!」と判断しやすくなるんです。「これは重要な情報だ!」と騙されて、「この情報を長く覚えておこう」と判断しやすくなるんです。
「記憶の定着度」=「集中の度合い」+「反復の回数」
これを覚えておけば脳を騙して記憶力アップすることは容易だと思います。
○記憶の定着には必ず「復習」が必要
勉強において「覚えている」ということは「5分だけ覚えている」ではなく、「5日後も覚えている」「5週間後も覚えている」「1年後も覚えている」「とにかく長期間覚えている」ということだと思います。
しかし、残念ながら、脳は基本的に短期間しか覚えない仕組みになっているんです。
なぜ基本的に短期間しか覚えない仕組みになっているのか?
脳がパンクしないためです。頭に入ってきた情報をすべて長期記憶していたら脳がパンクしてしまう。だから脳はなるべく情報を長期間記憶しない仕組みになっているんです。基本的に短期間しか記憶しない仕組みになっているんです。
つまり、脳は仕組み的・性質的にすぐ忘れるようにできているということです。
本当にすぐ忘れる仕組みなんです。これは嘘ではありません。マジです。
皆様は、『エビングハウスの忘却曲線』をご存知でしょうか?
エビングハウスという心理学者によって発見された「エビングハウスの忘却曲線」
このエビングハウスの忘却曲線によると、脳は情報を記憶してから20分後には約42%の記憶が失われる、1時間には約56%の記憶が失われる、1日後には約74%の記憶が失われるらしいんです。
エビングハウスの忘却曲線によって明らかになったことは、人間の脳は基本的に忘れやすいということです。放っておけばあっという間にほとんどの記憶を忘れてしまうということです。
今まで自分は他人より物覚えが悪いと思い込んでいた人・・・その考えもこのエビングハウスの忘却曲線によって否定されたのです。人間は基本的に物覚えが悪い生き物なのです。脳の仕組み的に物覚えが悪い生き物なのです。だから物覚えが他の人より悪いと考えるのは間違っているのです。
そんな忘れっぽい生き物である人間ですが、どうしたら長期記憶をすることができるのか?
復習するのです。復讐(リベンジ)ではありませんよ。復習ですよ。
復習を繰り返すことにより、忘却曲線の形はゆるやかになり、忘れにくくなります。
脳は仕組み的に一回で覚えることは脳の仕組み的に不可能なのです。何度も復習することによって初めて長期間覚えておくことができるようになるんです。
○記憶とはペンキ塗りのようなもの
記憶とはペンキ塗りのようなものです。
壁などにペンキを塗るときは1回で塗り終えることはありません。何度も塗り重ねます。
なぜか?
1度だとどうしても塗りムラができてしまうからです。ムラが出ないようにするために、完成するまでに、何度もペンキを塗り重ねるんです。
これと同じように、記憶するときも塗り重ねます。何度も同じ情報で記憶を塗り重ねます。記憶のムラを無くすために同じ情報を塗り重ねます。そうすることによって記憶は定着しやすくなります。
ただやみくもに塗り重ねるのはダメです。情報を何回にも分けて、じっくり時間をかけて塗り重ねる。そのほうが記憶が定着しやすくなります。
例えば、100個の英単語を覚えるときに、4時間かけて1日で覚えようとするよりも、1日1時間4日かけて覚えるほうが圧倒的にたくさんの英単語を覚えられるんです。
○記憶するのは脳にまかせる
ほとんどの人は、「今これを1回で覚えるぞ!」という意気込みで暗記しようとしますよね。そんなことしなくてもいいんです。ほとんどの人は次の日になると約74%の記憶を忘れてしまっているのですから、そんな無理して詰め込もうとする必要はないんです。
忘れてしまっても復習すればいいんです。そうすれば覚えていられる量が増えるんです。忘れても忘れても復習すれば覚えていられる量が増えるんです。
だから無理して一回で覚えようとしなくていいんです。そのうち覚えるだろうと黙々と復習を続けていればいいんです。
無理して覚えようとすると、勉強が嫌いになって、嫌いになると集中力が低下して、記憶力が低下してしまいます。そうならないためにも無理して覚えようとしないで、そのうち脳が勝手に覚えるだろうと思って、気楽な気持ちで勉強に取り組んでください。
○3サイクル反復速習法
この勉強法はいろいろなものに応用できますが、今回は教科書や英単語帳などの教材を覚えることを前提として説明をしていきます。
まず1ページずつ覚えていく場合、その1ページを3回繰り返しながら勉強を進めていきます。
○基本的な流れ
①1ページ目の学習を終わらせる
↓
②もう一度1ページ目を復習する
↓
③2ページ目に進み、学習を終わらせる
↓
④1ページに戻り、復習する
↓
⑤2ページ目に戻り、復習する
↓
⑥3ページ目に進み、学習を終わらせる
これを永遠と繰り返すだけ。
ページ数の学ぶ&復習順番は、1→1→2→1→2→3→2→3→4→3→4→5→4→5→6→5→6→7・・・という感じで進めていきます。こうすれば1ページ2回は復習することができます。
この例では勉強範囲を1ページで区切りましたが、慣れてきたら、5ページや10ページをまとめて1つの勉強範囲にしてしまっても問題ありません。
1~5ページまで学ぶ→1~5ページを復習する→6~10ページまで学ぶ→1~5ページを復習する→6~10ページを復習する→11~15ページまで学ぶ→6~10ページを復習する→11~15ページを復習する→16~20ページを学ぶ→11~15ページを復習→16~20ページを復習→21~25ページを学ぶ→16~20ページを復習・・・
という感じです。
脳にとって復習というのは少し時間が過ぎてから行うことに意味があるんです。少し時間が過ぎてから復習して覚えていないことがわかると、脳が「この部分の記憶が弱いんだな」と自覚して自動的に記憶を補強してくれるんです。
この学習法を使えば必然的に少し時間が過ぎてから復習ができるので、記憶が自動的に補強されやすいんです。
○1分間ライティング
3サイクル反復速習法と組み合わせることで有効な勉強が1分間ライティングです。
まず書くためのノートやA4のコピー用紙を準備します。筆記用具は書きやすいものであればなんでもいいです。
この1分間ライティングを行うタイミングは、3サイクル反復速習法を行った翌日です。
まず前日に覚えた内容を思いつくまま連想するままひたすら手を止めずに書きなぐます。このとき1分間という時間制限を設けましょう。時間制限があったほうが集中力が増すからです
この時、1分間スラスラと書き続けられた場合は、しっかり記憶が定着しているということになります。スラスラと書けなければ書けないほどに記憶が定着していないということになります。
でも焦る必要はありません。脳は一日で約74%忘れるものなのですから、スラスラ書けないのが普通なのです。
スラスラ書けなかったら、忘れている部分を復習すればいいんです。それからもう一度1分間ライティングを行えばいいんです。
この1分間ライティングは、慣れるまでは結構難しいから、最初のうちは上手くできなくても気にしないでくださいね。繰り返しているうちに上手になりますから。
ちなみに1分間ライティングが終了した後は、脳が足りない部分を埋めようとしている状態になので、復習するといつもより効率よく記憶することができます。
○学習に適した時間
学習に向いているのは起きてからの2時間と、午後4時頃から夕食を食べるまでの時間だと言われています。だから朝は昨日勉強したことの復習し、夕食前に新たに覚えたいことを学習すると効果的です。
まとめ
・いつからでも脳は鍛えられる
・脳を騙して記憶力を上げる
・記憶の定着には必ず復習が必要
・記憶する作業はペンキ塗りのようなもの
・記憶するのは脳にまかせる
・3サイクル反復速習法
・1分間ライティングで仕上げる
・学習に適した時間は、起きてからの2時間と午後4時頃から夕食を食べるまでの時間
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