【渡辺和子】『置かれた場所で咲きなさい』を要約してみた!「神は力に余る試練を与えない」

『置かれた場所で咲きなさい』

この本は2012年に出版され、200万部という大ベストセラーになりました。

ノートル・ダム清心女子大学の理事長を務め、マザー・テレサの来日時に通訳を務めた渡辺和子さんという修道女の方が書かれた本です。

渡辺さんの父親は渡辺錠太郎という人で2・26事件で暗殺された有名な陸軍大将です。父親が暗殺されたとき、渡辺さんはわずか9歳でした。

渡辺さんは父親が44発の銃弾を打ち込まれて殺されるのを至近距離で目撃したそうです。

渡辺さんは36歳でノートルダム清心女子大学の学長になりました。ですが激務が祟って50歳でうつ病で入院してしまいます。さらに60歳で膠原病を患ってしまいます。

そういう様々な経験を基に書かれたのが本が「置かれた場所で咲きなさい」なんです。

今回はこの本の中で特に重要な部分を要約してお伝えしたいと思います。

スポンサーリンク

渡辺和子さんの教え

○神は力に余る試練を与えない

試練、つまり、乗り越えることが困難に直面すると、「なんで自分がこんな目に遭うんだ!」「こんな状況乗り越えられるわけない!」「絶望だ!」と思ってしまう人が多いはずです。

しかし渡辺さんは「神はその人が乗り越えられない試練を与えることはない」と言っています。

つまり渡辺さんは「人には乗り越えられない困難など存在しない!」と言っているのです。「どんな絶望的状況でも、どんな大ピンチでも乗り越えることができる!」と言っているのです。

渡辺さんは子供が障害を持って生まれた例を挙げています。我が子が障害を持って生まれてきたとき、ほとんどの親は「どうしてうちの子だけが・・・」「どうしてこんな大変な思いをして子育てをしないといけないのだろう」「私にこの子を育てられるわけない」と思ってしまうはずです。

しかし渡辺さんは「その障害を持って生まれてきた子供は、この親だったら障害を持った子供でも育てることができると思って、神がお預けになったのだ」と言っています。

こう考えることができれば「私にこの子を育てられるわけない」と絶望せずにすみますよね。自分なら育てることができると思うことができますよね。

渡辺さんはどんな状況でも絶望しないためにこのような考え方にたどり着いたのではないかと思います。

普通の人がいうと綺麗事に聞こえるかもしれません。しかし渡辺さんは子供の頃に目の前で父親を惨殺されるなど、多くの試練を実際に超えてきた人です。そんな人の言葉だと説得力がありますよね。真実味がありますよね。

もし、あなたが絶望を感じたとき、「神はその人が乗り越えられない試練を与えることはない」と考えてみてください。そうすれば絶望することなく、前向きに生きられるかもしれません。

○良い出会いを育てていこう

「良い出会いがない・・・」と言ったことありませんか?

私はあります。なかなか彼女ができないとき、「良い出会いがない・・・」と言ったことがあります。何度も言ったことがあります。

きっと私と同じように彼女がなかなかできない男性の皆さんのほとんどは「良い出会いがない・・・」と言ったことがあるはずです。彼氏がなかなかできない女性の皆さんのほとんども「良い出会いがない・・・」と言ったことがあるはずです。

「良い出会いがない・・・」と言っている人達が有名人がインタビューで「あのとき誰々さんと出会って人生が変わった」と答えているところを見たとします。ほとんどの人達はそのインタビューを見ながら「この人は運がよかったのだ」「自分にもそういう人生を変える出会いがあれば」と思うはずです。

しかし渡辺さんは、「この有名人のような出会いは誰にでもある。すでにもう出会っている」と言っているのです。さらに「その出会いを自分で育てるかどうかにある」と言っているのです。

渡辺さんは「あなたは既に自分の人生を変えてくれる可能性がある人に出会っている。その人が本当に自分の人生を変えてくれる存在になってくれるかどうかはあなた次第」と言っているのです。

渡辺さんは「あなたがその人とのお付き合いを誠実に続ければ、その人はきっと自分の人生を変えてくれる存在になってくれる」と言っているのだと思います。

スポンサーリンク

○順風満帆な人生などない

渡辺さんは、50歳でうつ病を患いました。原因は過労です。

渡辺さんは36歳の若さでノートルダムの学長になりました。それからずっと激務が続いていたのですが、さらに50歳で修道会の要職も任せられたことでプレッシャーと疲労がピークに達していたそうです。

2年間、入院と投薬が続きました。投薬だけならまだしも、入院もしていたのだから、かなりの重症だったはずです。

しかし渡辺さんはこの経験によって健康なときには気づかなかった人間の優しさに気づいたといいます。また渡辺さん自身も病気になる前より人に優しくなれたそうです。

この出来事を渡辺さんは「心にぽっかり穴が開くことで、逆に見えてくるものがある」と言っています。

私たちはショックを受けたときに「心に穴が開いた」といいます。しかしこれは悪いことではないんですね。穴が開いたから見えるものをあるんです。

実際、渡辺さんはこのうつ病から約35年後、85歳で「置かれた場所で咲きなさい」というベストセラーとなる本を書き上げました。

うつ病の経験がなければ、この200万部という空前のベストセラーは生まれなかったでしょう。

うつ病は良い経験だったと渡辺さんが思うようになってから、実に35年も経って、ようやく目に見える成果が出たわけです。

心に開いた穴がどう役立つか、目に見える結果が出るにも時間がかかるということです。

だからきっと良い穴が開いたのだろうと、気長に考えるのが良いでしょう。

○つらい夜でも朝は必ず来る

渡辺さんは、有名な精神科医であるヴィクトール・フランクルの話をしています。

(ヴィクトール・フランクル『夜と霧の明け渡る日に』という本の著者)

フランクルというナチスの収容所にいれられていたユダヤ人の精神科医です。アウシュビッツで生き残ったユダヤ人として有名な人です。

渡辺さんはこのフランクルの話からこういう内容を語っています。「つらい夜でも朝は必ず来る。しかし、その朝がいつ来るか期限を決めてはいけない

フランクルが収容所にいたとき、期限を決めて幸せになろうとした人達がたくさんいたそうです。「1944年のクリスマスまでに自分たちは自由になれる」と信じて幸せになろうとした人達がたくさんいたそうです。

収容所は地獄のような場所でした。そんな場所で生き続けるためには、地獄が終わる期限を決めた信じたほうが精神的に楽だったのでしょう。だから収容所の中にいた多くの人が「1944年のクリスマスまで頑張れば自由になれる」と期限を決めてしまったのでしょう。

しかし1944年のクリスマスになっても戦争は終わりませんでした。当然、収容所内での地獄も終わりませんでした。

クリスマスの翌日以降、次々と収容者が亡くなっていっていきました。

逆にフランクルをはじめ、生き残った人達はこの地獄はいつまで続くかわからないと覚悟をしていました。ただし、いつか必ず終わると信じていました。「時間はかかる。しかし、いつかは必ず自由になれる」と信じていました。そういう考え方の人達の多くは生き残ることができたのです。

「明けない夜がないように、降り止まない雨がないように、終わらない辛さもない。夜がいつか明けるように、雨がいつか降り止むように、辛さもいつか終わる。だから期限を決めずにそのときが来るのを信じましょう。神はその人が乗り越えられない試練を与えることはないのです。だからそのときは必ず来るのです。だからそのときが来るのを信じましょう」

渡辺さんはそう言いたかったのではないかと思います。

まとめ

○渡辺和子さんの教え
・神は力に余る試練を与えない
・いい出会いを育てていこう
・順風満帆な人生などない
・つらい夜でも朝は必ず来る

Posted by