ドン引きする話2選「人を病気にする家」「営業ならこの気持ち分かると思うんだけども」

人を病気にする家
営業ならこの気持ち分かると思うんだけども

以上、2つの話を紹介します。

ドン引きする話2選

○人を病気にする家

昔、アルバイトで家事収納アドバイザーのアシスタントをしてた

ある時「奥さんが育児ノイローゼ気味で物を片付けられず、ゴミ屋敷になりつつある家」の仕事依頼が入り、先生と一緒に家に伺った

30代の夫婦と、まだ幼い子供さんの一家で、当日は手伝いのため奥さんのご両親も来ていた

行ってみたらゴミ屋敷というほどでもない。ただ確かに物が積まれていて、服なんかは全部出しっぱなし。

家は新築で、とてもおしゃれな感じ。

聞けば、引っ越ししたら環境の変化のせいで体調を崩し、体が動かなくなった

今は子育てをするのがせいっぱいで、片付けに手が回らないと。

旦那さんは、家が建ったばかりの時の広々と明るい部屋の写真を出してきて

「こういう空間を取り戻したい。不要なものを捨てて、きちんと収納してもらいたい。そして片付けの方法を妻に教えて、維持できるようにしてもらいたい」

と言ってきて隣で奥さんとご両親は申し訳なさそうにしていた。

で、先生は家の中をぐるっと見渡して確認した後、戻ってきて一言

「無理だわw」

は?!と固まる一家に向かって、さらに一言

「だってここ収納スペースがほとんどないじゃん。そもそも収納できないじゃん」

確かによく見ると、その家には階段下と浴室横にちょっとした物入のスペースがあるだけで押し入れやクローゼットのような収納スペースがない。

「いや、でもプロなんだから片付けられるでしょ」と、旦那さんは煽り気味に食い下がったけど、例えば寝室は旦那さんのこだわりで和風モダンな畳部屋

布団で寝てるんだけど、じゃあその布団をどこに片付けるのよ。和室なのに押し入れないじゃんw

先生、布団や洋服やその他生活用品など、必要最低限なものを選んで、旦那さんに

「これをどこに仕舞うのか、指示してください。そうしたら片付けます。私は収納のプロですが、魔法使いではないので、これを小さくしたり、亜空間に収めることはできません」

旦那さん「ぐぬぬ」

いや、収納スペースなければ、そりゃ広々明るい部屋になるはずだ。

引っ越し前に住んでいた家は収納が多めにあったので問題なく暮らせていたらしい。

この家に引っ越してきてからは、収める場所がないから出しっぱなしにせざるを得なく

(奥さんは収納家具を買いたいと言ったのに、旦那さんが『家を買ったから金がない。だいたい広い家に引っ越すのにそんなのは無駄だ』と一蹴したと、あとで聞いた)

頑張って片付けても掃除してもゴチャゴチャと物が積まれる家にいて、奥さんはどんどん気力が無くなっていったのが真相

おまけにキッチンは異様に狭いし、とにかく家の中の動線が変

しかも!ここの家の階段、スカスカに隙間が空いてるデザインで、しかも強化ガラスみたいなの使ってるから滑る

子供さんなんか小さいから隙間から転落する恐れすらあった

先生「こんな家じゃ、私だって片付けられないわ。子供が危ないんじゃないかと思ったら寝てらんないし、そりゃ鬱にもなるわ!よくこんな家を設計したね」

家を設計したのは旦那さんの友人だそうだ

旦那さんは「いやいや、設計者は何度もコンペで賞を取っている、優秀な奴で」とかムキになってたけど

「お洒落な商業スペースをデザインするのと、暮らしやすい家を設計するのは全然違うだろう」

と奥さんのご両親に説教されてシュンとなってた

結局その日は仕事キャンセルでそのまま帰った

交通費プラス手間賃は奥さんのご両親からいただいたけど。

だいぶたってから奥さんから連絡が来た

あのあと子供さんを連れて実家に帰ったら、だんだん元気を取り戻したそうだ

家から離れたら憑き物が落ちたようになったと。奥さんのお父さんは

「ちょっと名の知れた人と友達なのを鼻にかけて妻の意見も聞かずに家を建てて、娘を病気にした。だいたい建築費用の3分の1はうちから出してるのにふざけるな」

とカンカンに怒ってるらしい

お洒落で明るくてきれいだけど、人を病気にする家ってあるんだなと、他人事だから面白かったけど

高い金払ってあんな家建てる神経が分からんかった

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○営業ならこの気持ち分かると思うんだけども

すごくもやもやした話。

私営業なんだけど、以前私と契約したことのある業者が、私の後輩(新人で知識も足りない)と契約しようとしていた。

私はその業者と何年も付き合いがあって、やっと1件契約できた。

かつその契約も結構大変だった。

勿論他の営業もその業者へ挨拶には行くが、私を介して契約した業者であれば、業者から「私子さんとやってますから」と言われたら身を引くのがルール。

これには理由があって、Aさんが築き上げた関係をBさんが下手を打って壊すのを阻止するため。

ところが新人は、
①挨拶に行く
②私と付き合いの有る業者と知らずに名刺交換
③知らずに営業かける
④案件をもらってきて、その際「私子さんともやってたんだよなー、君も頑張れよ(これはお前にやると言われたようなもの)」と言われる

という流れで契約になった。かなりの大型案件。

③まではわかる。ただ④の時点で「私子さん、この案件を頂きました。やっていいですか?」と聞いて「私がやる」と言えば新人は手出しできないし、聞かれたら私が担当してた。

ところが新人はそれをやらず上司に報告→「私子さんともやってたようですよ」「あー、あそこかあ大変だったんだよー。上手くいくといいね」→で、普通に話をまとめていた。

いざ契約、となったところで私や周りが「それ誰からもらった?」と聞いて発覚。「私子への筋を通していないじゃないか」と周りも新人を叱りつけた。

私も

「長年のお付き合いがある人だから、あなたが下手をしたら私も契約できなくなる。大変なことになるのをわかってやったのか。ルール違反だしマナー違反、上司が何も言わないのもどうなのか」

と注意した。

すると上司は

「たしかに私子さんはその業者と過去に契約したことがある。でも、たまたま知らずに営業をかけてきた新人に『私子さんとやってるよ』と言わなかったのは、新人に案件を渡したのは、私子さんと業者がそういう関係だったんじゃない?

ちなみに俺が言わなかったのは、俺が必ず案件について見ているからだよ。要は下手打たない可能性が高いってこと。

で、もし新人さんに『やっていいですか』と聞かれたらどうするつもりだった?『私がやるから身を引け』と言うの?」

と言い返してきた。

私はカチンと来て

「勿論いい案件ならそれは私がやるから身を引けと言います。魅力のない案件なら新人さんに練習がてらやって貰ってもいいですが、許可は私が出します。そうやって新人が貰えるのは新人さんの実力ではなく私や他の先輩が関係を築いたからでしょう。今回のことは新人さんのヒアリング不足と想像力不足です」

「今回は仕方ないが、謝罪してもらわないと気がすまない。業者と会社を繋いだのは私なのに、業者も失礼がすぎる。謝罪すれば許すし水に流す」

とはっきり言った。

社内では「私子が業者とそこまで話してなかったから仕方ないんじゃないかなあ」派と「あの新人は泥棒だ」派に二分されている。

一応私も業者に確認し、

「過去に私は契約してる仲だから言うのだが、新人にわたしている案件について私に担当を今から変えてもらえないか」

「過去に私と契約してあなたにもお金が入った。私への筋というものがあるだろう」

ということをやんわり、でも怒りながら伝えた。

けど、

「でももう新人さんとかなり話詰めてるからなあ。取っちゃうの可愛そうだよ。また今度君にも必ず相談するから。君が殆ど来てくれなくて、その間に新人さんが何度も来たから渡した、それだけだ。勿論私子さんが契約してくれて嬉しいよ。今後も上手くやろうよ。今後君と新人さんにしっかり振り分けるからさ」

と言われた。

新人はそれが初契約だったから、まあ笑いながらだけど

「本来それ私のやつだったんだよね。やらかしてくれたね、相手が私で良かったね。他でやったら二度とみんな口聞かないと思うよ」

と何度も言ったし、新人には「不快な思いさせてすみませんでした。もうあの業者には近寄らないようにします」と言わせた。

所謂シマを荒らすようなことを新人はやった訳なので、それを許容する上司にも、最初私に報告するという頭もなく大喜びしていた新人にもモヤモヤする。

営業の友達には

「それあんたが訪問するか、出来なけりゃ常にメールか電話してりゃ済む話だったんじゃないの?」

「『私子にしか出さない』という人に食い下がったわけでも無いんだからさ。別にあんたがサボってるとは言わないけど、要は案件渡すのが誰でも良いって人だったんじゃないの?」

と味方してもらえない。そうではなく、貰ったことを伝えなかったのが悪いんだと言っても理解されない。

「自分がやられたら殺意沸かない?」と聞くと

「いや?仕方ないじゃん。あー私の顔を売れてなかったのが悪かったなって思う」

と真逆の意見を言ってくる。

営業ならこの気持ち分かると思うんだけども。

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