【ヒナまつり】血と暴力と金に飢えた男。その名は『新田 義史』骨折する娘。殴られる後輩。女は食いもん。
という番組が放送された。
血と暴力と金に飢えた男の名前は『新田 義史』
黒塗りの高級車に乗り、手首に金の高級腕時計をしている新田義史。
新田義史は対立する組事務所に一人で乗り込み、その組を壊滅させたという武勇伝があるそうだ。
そんな武勇伝のある新田義史は言った。
新田「金がすべて」
新田「女ねえ。いい食いもん」
女を食い物と言い切る男。その名は新田義史。やはり恐ろしい男のようだ。
取材の過程で新田の恐ろしさの一端を垣間見ることができた。失敗をした後輩に新田がぶち切れたのだ。
新田「テメー!舐めてんのか!このクソボケー」
そう切れた新田は傍らにあった灰皿を手に持ち、後輩の頭を殴った。頭から血を流す後輩。それを見下ろす新田。恐ろしい男だ。
切れたら手が出る。新田義史とはそういう男のようだ。非常に危険な男のようだ。
番組はさらにつづく。
新田の妹が登場する。
妹「ヤンキー狩りしてたね。空手の練習にちょうどいいんだよ。やっちゃいけない技も試せるし。停学になったけど」
と新田の妹は兄の過去を語った。どうやら新田義史はヤンキー狩りをしていたようだ。ヤンキーを相手に空手の技を試していたようだ。そして停学になったことがあるようだ。新田義史、危険な男のようだ。
ケンカ三昧だった新田は故郷にいられなくなり、上京してヤクザとなったそうだ。居場所がほしくてヤクザになったという。でも、組の鉄砲玉にさせられ、新田は人を信じられなくなっていったそうだ。気がつくと新田は昭和にいた任侠ヤクザから義理と人情をひいた平成の怪物となっていたそうだ。
平成の怪物が孤独に街を歩くシーン。哀愁を感じさせるシーンだ。
平成の怪物は残酷だった。実の娘に対してもその残酷性をむき出しにしていた。
遊んでいた女が妊娠してその娘を引き取った新田は言った。
新田「これは娘じゃねー」
と。実の娘の前で言ったのだ。その娘も番組に登場した。その娘の右足は骨折していた。新田が折ったのだ。
実の娘を娘ではないと否定し、その娘の脚を平気で折る新田という男。これが本当なら彼はもはや人ではないのかもしれない。
取材犯は新田に質問した。「そんな生き方では敵だらけになりませんか?それでどうするんですか?」
この質問に新田はこう答えた。
新田「おいおい瞬殺だよ」
敵をすべて瞬殺できると豪語する新田義史。さすが対立する組を一人で壊滅させたという武勇伝を持つ男である。
そんな新田に取材費を払おうとする。その金を見て新田は言った。
新田「お前酔ってんの?つまんねーことしてんじゃねーよ。自分から前見て歩けなくしてどうすんだよ?」
と、なんと新田は用意した取材費に不満を持って脅してきたのだ。遠まわしに目をつぶすという脅しを。もっと取材費寄越さないと前見て歩けなくするぞという脅しを。
恐るべき男。新田義史。彼は完全に人の道を踏み外してしまったようだ。
予定金額の10倍の取材費を渡すと新田はようやく満足した。その金を受け取った新田は夜の街に消えていった。
ナレーター「彼(新田)はもう戻れない。この欲望にまみれた夜の中を駆け抜けていくのだ。破滅するそのときまで」
ここで番組が終わる。
新田義史。この番組の内容が本当ならこの男はとんでもない怪物である。
でもこの番組はやらせです。多分に嘘が混じっています。事実を捻じ曲げて放送されています。
この番組を見ていたヒナは言いました。
うん。僕もそう思った。誰これ?と。
やらせ。それはテレビ界ではタブーとされている行為。特にドキュメンタリーやニュースなどでは絶対にやってはいけない行為。
それを新田を取材した人たちはやってしまいました。
なぜか?
それは家族のためです。
男「俺にも食わせていかなきゃならない家族がいる。失敗できないんだよ」
この男が番組制作のリーダ。このリーダには養わなければならない家族がいる。だから番組の失敗は許されない。追い詰められたこの男はやらせに手を染めてしまったのです。
悲しい現実。
こういう現実が本当にあるのかもしれない。
僕はそう思った。
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