廃課金に陥る理由 ゲーム業界の甘い誘い文句が原因!?ゲーム業界は営利企業です。

廃課金とは?

課金システムがあるゲーム内で多額の課金をして、アイテムやカードなどを手に入れること。

病的なまでに課金をすること。

生活が破綻するレベルの課金をすること。

レアアイテムのために尋常ではない課金をすること。

廃課金に陥った人々

●11歳の息子が犯人だった!

2016年9月。浙江省で夫と11歳になる息子と3人で暮らす母親のもとに突然、一通のメールが届いた。

「中国中央公安部の者です。あなたの子どもがネット犯罪に加担していることがわかりました。すぐに子どもを退学させ、我々の捜査に協力してください」

とメールには書かれていた。

母親は驚愕する。

当初、母親は迷惑メールだと思った。

だが、自宅の写真、隠し撮りされたと思われる家族の写真までメールに添付されており、本物の公安部から送られてきたものと確信してしまう。

その後、自称公安部を名乗る人物はメールで母親に対して、息子の銀行口座を開設し、さらに現金を振り込むよう指示したのだった。

母親は捜査のためだと信じ、17年6月まで複数回にわたり、合計10万元(約160万円)を振り込む。

そのせいで母親は、ほぼ全財産を失ってしまう。

一家は父親が身体障害者のため、母親が縫製工場で働き、家計を支えていた。そんな厳しい状況の中で貯めた財産をほぼ失ってしまったのだ。

近所の住民に相談したことでようやく詐欺だと気づくも、すでに口座からは全額が引き出されていた。

母親から被害届を受け取った警察は、メールの情報を分析。

その結果、なんと犯人はこの家の11歳の息子であることが判明したのだった。警察の取り調べに対し息子は、「学校に行かず、ネットゲームをたくさんやりたかった。課金もたくさんしたかったので、今回の事件を思いついた」と供述。

ネトゲやりたさに家族を騙す子供。これは中国の話ですが、日本でもネトゲや課金に嵌って親に迷惑をかけている子供の話をよく耳にします。

「4歳の幼児がゲームで数万円を課金していた」「小学生の子どもがクレジットカード番号を入力して勝手に10万円以上を課金していた」

ゲームに10万円。ありえない金額です。しかも小学生が。すごい時代です。

企業側も登録時に年齢を登録させ、未成年には課金制限をするようになりました。でも、この年齢登録は『未成年なのに25歳』というふうに嘘の年齢で登録することができてしまうため、あまり効果がないそうです。

●課金がバレて離婚の危機!

機械メーカーに勤める高本佳和さん(仮名・41歳)も、「FOOTBALL DAY」というサッカーチーム運営ゲームにハマったひとりだ。

「一日4~5時間はやってますかね。外回りをサボって、営業車の中でこっそりプレイするのが日課になってます」

会社では上司にいびられ、家では育児疲れの妻から八つ当たりされる生活に嫌気が差し、現実逃避として始めたのがきっかけだった。

「ほかのプレイヤーに勝ちたくて有料ガチャを一日何度も回し、貯金口座の80万円を1年で使い込んだのがバレたときは、さすがに嫁が激怒。一時は離婚の危機でした」

現実逃避の手段としてゲームに嵌り、課金地獄陥る。

という人は多いと思います。

僕自身、学生時代、現実逃避のためにゲームに嵌っていました。つまらない現実から目を背けるためにゲームに嵌っていたのです。朝から晩までプレステやってました。

たぶん、僕が子供の時代、課金なんてシステムがあったら、僕は廃課金者になっていたかもしれません。

課金地獄に陥ってしまう理由

理由1、登録時は無料

ソーシャルゲーム(モバイルゲーム)のほとんどは無料で登録できます。

無料のため誰でも気軽に登録ができてしまう。

このハードルの低さが課金地獄のリスクを高める原因になっています。

有料だとハードルが上がり、課金地獄のリスクは低くなります。でもそれではゲーム会社は儲かりません。

ゲーム会社は多くの人に登録してもらわなければ課金によって儲けることはできません。だから無料で登録できるシステムにしているのです。課金によって収益を上げるために。

ゲーム会社は営利企業です。慈善事業団体ではありません。だから利益を追求します。利益を得るためあらゆる手段を使ってきます。

無料登録もその手段のひとつです。

無料という手段を使って多くのお客に登録してもらい、課金によって収益を上げようとしているのです。

2017年 モバイルゲーム課金売上ランキング TOP10(国内)

1位 モンスターストライク:1041億円
2位Fate/Grand Order:896億円
3位パズル&ドラゴンズ:473億円
4位LINE:ディズニー ツムツム:303億円
5位ドラゴンボールZ ドッカンバトル:278億円
6位アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ:226億円
7位グランブルーファンタジー:209億円
8位実況パワフルプロ野球:172億円
9位白猫プロジェクト:149億円
10位ポケモンGO:143億円

出典:『ファミ通モバイルゲーム白書2018』
(集計期間:2017年1月1日~10月3日)

このように課金はゲーム会社の大事な収入源となっているのです。

無料という甘い誘い文句によってお客に登録させ、課金によって収益を上げる。それが今のゲーム会社の実態です。

別にそれは悪いことではありません。ゲーム会社は営利企業ですし、法に触れることをしているわけでもないのですから、ぜんぜん悪くありません。

でも、子供が無限に課金できるシステムは問題だと思います。子供は大人よりも自制心がありません。そのためお小遣いを全部、課金に使ってしまうリスクがあります。お年玉も全部使ってしまうリスクもあります。親のクレジットカードを使って課金してしまうリスクもあります。

そういうリスクは失くす努力をすべきだと思います。

でも、残念ながらゲーム会社は営利企業。子供の不利益より自分たちの利益を優先させる会社がほとんどです。

だからこれからもこの無料登録という甘い誘い文句はなくならないと思います。当然、廃課金に陥る人もいなくならないと思います。

ゲーム業界自体が変わらないかぎり。

パチンコ業界が変わらないかぎりギャンブル依存症が減らないのと同じようにゲーム会社が変わらないかぎり課金依存症も減らないと思います。

理由2、脳内麻薬が分泌される

ソーシャルゲームにはギャンブル性の強いものが多い。

たとえば「ガチャ」

ガチャとは、1回数百円程度の課金によって、ゲーム内で使えるカードや物品を購入することができる仕組みです。

このガチャにはレアなアイテムなどの希少性の高いものがあります。そんな希少性の高いアイテムを手に入れたいと思う人が必ず現われます。人気ゲームなら数万人のプレイヤーがその希少性の高いアイテムがほしいと思います。そしてみんながその希少性の高いアイテムを手に入れるため課金をし、ガチャをします。

ほとんどの人は何度がガチャをしてあきらめます。でも、中には希少性の高いアイテムを手にいれるため永遠と課金をし、ガチャをする人がいます。

人気ゲームのガチャには必ず永遠とガチャをする人が必ず現われるのです。そういう人が廃課金者になるのです。

このようにガチャには中毒性があるのです。

なぜガチャには中毒性があるのか?

それはガチャをすると、脳内のドーパミンやβエンドルフィンといった快楽物質(脳内麻薬)が分泌されるからです。その気持ち良さが癖になり、たとえ「ガチャ」で外れたとしても、二度三度と課金して「今度こそ」と回してしまいたくなってしまうのです。

パチンコや競馬などのギャンブルをする人も脳内のドーパミンやβエンドルフィンといった快楽物質(脳内麻薬)が分泌されやすくなるためギャンブル依存症になりやすいと言われています。

つまり課金に夢中になる人の脳の状態は、ギャンブル依存症の人の脳と同じだということです。

快楽を得るために課金をする。レアアイテムを手に入れたという満足感と優越感と勝利感を味わうために課金し続ける。

課金に夢中になっている人の脳はそういう状態に陥ってしまっているのです。

だから課金をやめられなくなってしまっているのです。ギャンブル依存症の人がギャンブルをやめられなくなっているのと同じように。

次はレアアイテムが出るかもしれない。課金者はそう思う。でも次も出ない。次も出ない。次も次も次も出ない。でも次は出るかもしれない。一万円も使ったのだからそろそろレアアイテムが出てもいい頃合いだろう。

廃課金者になる人はそう考えてガチャを続けてしまいます。

そしてギャンブル依存症の人があと1000円使えば大当たりがくると考えながら何万円も使ってしまうみたいに課金に何万円も使ってしまうのです。

これが課金依存症になった人の思考&行動パターンです。

この思考&行動パターンに陥った人は何万円も使ったのだからレアアイテムを手に入れなければ今までの課金が無駄になってしまうという心理も働いています。

今までの何万円もの課金を無駄にしたくない。そういう心理が働いているから課金をやめることができないのです。

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理由3、「ガチャ」は裏で確率操作されている可能性がある

データ上の「ガチャ」は、排出率を簡単に変えることができます。

特定のアイテムの出現確率を0%に制限する、最大当選数を制限する、価値が低いアイテムやカードが出てくる確率を大幅に高める。レアアイテムの獲得率を一時的に100%にする(課金を続けさせるためのエサ)。

そういった変更を簡単にすることができるのです。

開発者側が変えたいと思えばいつでも変えることが可能なのです。アップデートのときに変えることもできますし、利用者に何も言わずに変えることもできます。

変えることが簡単ということは、「ガチャ」は、一般のギャンブルよりも不正が簡単にできるということです。パチンコなども不正がやりやすいギャンブルのひとつですが、それ以上にガチャは不正を行うのが簡単だと思います。

一部のゲーム会社はこの不正を行っている可能性があります。

残念ながら不正を明らかにするのが難しいので、どのゲーム会社が不正を行っているか特定するのは困難です。

不正の結果、レアアイテムが出ないようになっていても、ほとんどの人はレアなんだから出ないのが当然と思ってしまうし、不正が行われているのではないかと思っても、それを調べられる人はまずいない。

だから不正を行っているゲーム会社を特定するのは難しいのです。

不正は行ってなくても、自社のゲームにもっと夢中になってもらうためにシステムを改善することはどのゲーム会社もしています。

たとえばより魅力的なレアアイテムを登場させたり、ドロップ率の低いレアアイテムを登場させたりすること。

それを知ったユーザーの一部が課金をして、それらを手に入れようとする。何万円もの課金をしてでも手に入れようとする。

結局、ゲーム会社は不正をしてもしなくてもユーザーを廃課金者にしてしまうようなことをするのです。

それが営利企業であるゲーム会社の実態なのです。

だけどゲーム会社が悪いわけではない

もちろん、課金をするもしないもユーザーの意思なのですから、ゲーム会社が悪いわけではありません。廃課金状態に陥るのは節度をわきまえないユーザーが悪いのです。

ゲーム会社は資本主義のルールに則って利益を追求しているだけなのです。それは間違いではありません。当然のことです。もし、それをやめてしまったらゲーム会社はつぶれてしまいます。だからゲーム会社が課金によって利益を追求することは間違ったことではないのです。

課金によって損をしているのはユーザーの責任なのです。

お酒といっしょです。アルコール中毒になるのは飲む側に責任があるのであって、売る側に責任があるわけではないのです。

大人なのだから飲みすげればアルコール中毒になることぐらいわかっているはずです。それなのにお酒を飲み続けた場合、どう考えても飲み続けた人に責任があります。売る側には責任はありません。

でも、子供が廃課金に陥った場合、すべての責任を子供の責任にすることはできません。ゲーム会社側にも責任があると思います。

子供が安心して遊べるゲームを作る。その責任をゲーム会社は怠った。子供が廃課金に陥った場合、そういう罪が発生すると思うんです。

もちろん、学校教育や親の教育の責任問題もあると思います。

でも、やはり、ゲーム会社にも子供が廃課金に陥った場合は問題があると思うんです。

そもそもギャンブル性の強い課金システムのあるゲームを子供に提供すること自体間違っているように思います。

子供には一定の金額で遊べるゲームを提供すべきだと僕は思います。ソーシャルゲームにもネットや携帯電話のような定額料金制度を導入すべきだと僕は思います。

そうすれば子供が廃課金状態に陥ることはなくなります。

ゲーム会社にはこれくらいの責任を持ってゲームを作ってほしいと思います。

そして大人は廃課金に陥って不幸にならない程度の課金で遊ぶことができるような自制心を身に着けてほしいと思います。

ゲーム障害という言葉が生まれたのは、ゲームにそれだけの中毒性があるからです。たくさんのゲーマーが生活を破綻させるほどに夢中になってしまうほどの中毒性があるからゲーム障害という言葉が生まれたんです。

ゲームの一部として存在している課金システムにも当然その中毒性があります。

中毒にならないためには節度が必要になります。

ゲームは1日1時間。課金は1日1000円。

というような節度が必要です。

依存症になる人のほとんどはこの節度のない人です。

娯楽に溢れた現代社会には快楽の誘惑が無数にあります。この誘惑にすべて負けていたら人生は破綻します。人生を破綻させないためには節度が必要不可欠ということです。

でも、その節度を身につけることが難しい。依存症に陥ればさらにそれが難しくなります。

依存症になるまえに少しずつ節度をわきまえる習慣を身に着けましょう。人生を破綻させないために。

理由4、現実逃避癖が強い

仕事がつまらない。勉強が苦手。集団行動が苦手。人間関係がうまくいかない。劣等感が強い。コミュ症で話すのがメンドクサイ。対人恐怖症。人見知り。

このように現実が嫌だと思っている人は現実逃避をしやすくなります。

現実逃避しやすい人が現実逃避の手段としてゲームをするようになった場合、ゲーム障害や廃課金者になるリスクが高いです。

ゲームの世界は現実世界より楽しいことがいっぱいです。コミュ症でも仲間をつくることができるし、目を見て話す必要がないから緊張せずに話せるし、びっくりするような冒険ができたりするし、仲間で助け合ってイベントをクリアーするという達成感を味わうことができるし、レアアイテムをゲットして優越感や勝利感を得ることもできます。

そんな体験ができてしまうゲームの世界。そんな体験現実世界ではなかなかできない。だからその世界に夢中になってしまう。現実より幸せな体験ができるゲームの世界に夢中になってしまう。夢中になって現実逃避する時間が長くなってしまう。

結果、ゲーム障害になってしまう。廃課金者になってしまう。

現実逃避者には上記のような経緯で廃課金者になるリスクが高い。

現実逃避の手段としてお酒を飲むようになった人がアルコール依存症になるリスクが高いように現実逃避の手段としてゲームをするようになった人はゲーム障害・廃課金者になるリスクが高いのです。

理由5、時間を節約したい人

時間を無駄にしたくない。

そう思う人は多いと思います。

そう思う人はゲーム好きの人の中にもいます。当然、課金する人の中にもいます。

時間を無駄にしたくないと思っている課金する人は、

『このアイテムがあれば早くボスを倒せる』

『ゲームは1日2時間しかできない。この課金アイテムさえあれば効率よく物語を先に進めることができる』

と考えます。時間を節約するためにそう考えるのです。

忙しい現代人。ゲームをやる時間は限られています。その限られた時間でゲームを攻略しなければなりません。誰よりも早くゲームを攻略したいと思う人はその限られた時間を有効に使わなければなりません。

限られた時間を有効に使うにはどうしたらいいか?

課金アイテムを使えばいい。課金アイテムを使えば攻略が楽になる。攻略が楽になれば時間を節約できる。短い時間でゲームを先に進めることができる。

とそう思って、課金アイテムを購入してしまう。

というプロセスで課金アイテムを購入してしまう人がゲームを早く攻略したい人には多い。

つまり、ゲームを早く攻略したいと思う人は課金アイテムに手を出しやすいということです。

ゲームを早く攻略したいと思う理由

ゲームを早く攻略したいと思う理由は、達成感や優越感や勝利感を得ることができるからです。

誰よりも早くゲームを攻略すれば、達成感や優越感や勝利感を得ることができます。学校やブログやSNSなどで自慢することもできます。

ゲームを先に進めることで自分の好奇心を満足させることもできます。未知のモンスターとの出会い、未知のアイテムとの出会い、わくわくどきどきするイベントの数々。そういったものがプレイヤーの好奇心を掻き立てたり、満足させてくれたりします。

さらにゲームを早く攻略することができれば、他のゲームを始めることができます。『ドラクエをクリアーしたから次はFFやろっと!』という感じで次のゲームを始めることができます。次のゲームを始めるだけではなく、読書をしたり、絵を描いたり、買い物に行ったり、友達と遊びに行ったりもできます。

以上のようなメリットがあるので、課金アイテムを使ってでも、ゲームを攻略したいと思ってしまうんです。

その結果、廃課金者になってしまう人がいるんです。

時間の節約のために課金アイテムに手を出した結果、お金を浪費し続ける廃課金者になってしまう人がいるんです。

時間節約習慣がありゲームが好き、という人は廃課金に陥る可能性が高いので注意が必要です。

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